エンジニア転職に効くポートフォリオの作り方|採用担当が見るポイント5選
未経験・独学エンジニアのポートフォリオ作り方を採用担当視点で解説。GitHub運用・Vercelデプロイ・TypeScript活用まで2026年最新版。
※当サイトはアフィリエイトプログラムに参加しています。記事内のリンクから商品を購入すると、当サイトに報酬が支払われることがあります。詳しくはプライバシーポリシーをご覧ください。
はじめに:ポートフォリオは「第二の履歴書」

エンジニア転職において、ポートフォリオは職務経歴書と同じくらい——場合によってはそれ以上に重要です。特に実務未経験者や経験の浅いエンジニアにとって、「実際に何が作れるのか」を証明する唯一の手段がポートフォリオです。
しかし現実には、せっかくポートフォリオを作っても「書類選考で落ちる」「面接で技術的な質問に答えられない」というケースが少なくありません。その原因の多くは、採用担当が何を見ているかを知らないまま作ってしまっていることにあります。
この記事では、実際にエンジニア採用に関わった経験を元に、採用担当が本当に見ているポイント5つと、それを踏まえた効果的なポートフォリオの作り方を解説します。
採用担当が見ているポイント5選
ポイント1:課題解決のストーリーがあるか
採用担当が最初に見るのは、技術力ではありません。「なぜこのアプリを作ったのか」という動機とストーリーです。
「Todoアプリを作りました」と「買い物リストをいつも忘れるので、位置情報と連動して店の近くでリマインドしてくれるアプリを作りました」では、後者のほうが圧倒的に印象に残ります。
良いストーリーの要素:
- 自分や身近な人が感じている「不便」が出発点
- その不便をどう解決しようとしたかの思考プロセス
- 作った結果、実際に使っているかどうか
「技術を試したかった」だけの動機でも悪くはありませんが、できれば実在する課題を解決しているほうが好印象です。
ポイント2:コードの品質と設計力
技術力の判断は、READMEの説明文やデモサイトだけでは分かりません。採用担当(やその先の技術面接官)は必ずソースコードを見ます。
チェックされるのは以下のような点です。
- 命名規則が統一されているか — 変数名・関数名が分かりやすく、一貫性があるか
- 適切にファイル分割されているか — 1ファイルに1000行詰め込んでいないか
- エラーハンドリングがあるか — 異常系を考慮しているか
- コメントが適切か — 過剰でも皆無でもなく、必要な箇所に書かれているか
- 型安全か — TypeScriptを使っている場合、
anyだらけになっていないか
完璧を求める必要はありませんが、**「この人はコード品質を意識している」**と伝わることが重要です。TypeScriptの基礎についてはTypeScript入門|JavaScriptとの違いと始め方を参考にしてください。
ポイント3:Git/GitHubの使い方
GitHubのリポジトリは、あなたの開発プロセスの記録です。
- コミットメッセージが適切か — 「fix」「update」だけではなく、「ユーザー登録時のバリデーションエラーメッセージを修正」のように具体的に書く
- コミット粒度が適切か — 1コミットに大量の変更を詰め込まず、論理的な単位でコミットしている
- ブランチ戦略を使っているか — mainブランチに直接pushするのではなく、feature branchを切っている
- Pull Requestの履歴があるか — 一人開発でもPRを作る習慣があると好印象
これらは「チーム開発ができるかどうか」の判断材料になります。個人開発でもチーム開発を意識したGit運用をしていると、大きなアドバンテージになります。Git/GitHubの使い方に自信がない方はGit/GitHub入門|バージョン管理をゼロから学ぶ完全ガイドで基本からおさらいしてみてください。
ポイント4:デプロイされて実際に触れるか
「ローカルでしか動かない」ポートフォリオは、採用担当に大きなストレスを与えます。忙しい採用担当は、リポジトリをクローンして環境構築する時間はありません。
URLをクリックしたら即座に触れる状態にしておくことが、選考通過率を大きく左右します。
デプロイ先の選択肢:
- Vercel — Next.js等のフロントエンド向け。無料プランで十分。push即デプロイが便利
- Netlify — 静的サイト・SPAに最適。フォーム機能が無料で使える
- Railway / Render — バックエンド付きのフルスタックアプリ向け
- Cloudflare Pages — 高速で無料枠が大きい
ポイント5:README(ドキュメント力)
READMEは「技術文書を書く力」の証明です。エンジニアの仕事はコードを書くだけではなく、設計ドキュメント・API仕様書・障害報告など、文書作成の場面が多いです。
最低限含めるべきREADMEの項目:
- プロジェクトの概要(何をするアプリか、1〜2行で)
- 使用技術スタック
- 主要機能の説明
- ローカル環境の構築手順
- デモURL(デプロイ先のリンク)
加点される項目:
- アーキテクチャ図
- なぜその技術を選んだかの理由
- 今後の改善予定(Issues活用)
- パフォーマンスの工夫
スキルレベル別:おすすめプロジェクトアイデア
初級者向け(学習歴〜6ヶ月)
- 天気予報アプリ — API連携の基本が学べる。OpenWeatherMap APIが無料で使える
- ブログサイト — Astro/Next.jsでMarkdownベースのブログを構築。SSGの理解に最適
- 家計簿アプリ — CRUD操作とデータの永続化が学べる
初級者のポイントは、1つの機能を完成度高く仕上げること。中途半端な機能が10個あるより、しっかり動く機能が3つあるほうが評価されます。HTMLとCSSの基礎固めにはHTML/CSS独学|1ヶ月でポートフォリオを作る完全ガイドが参考になります。
中級者向け(学習歴6ヶ月〜1年)
- タスク管理ツール — ドラッグ&ドロップ、リアルタイム更新、チーム共有機能など、段階的に機能追加できる
- ECサイト(模擬) — 商品一覧・カート・注文フローなど、実務に近い機能が作れる。Stripeのテスト環境で決済も実装可能
- チャットアプリ — WebSocketを使ったリアルタイム通信の経験が積める
中級者は認証・認可の実装(ログイン機能)を入れると、実務への理解度をアピールできます。
上級者・実務経験者向け
- OSS貢献 — 既存のOSSにPull Requestを送る。コードレビューの経験も積める
- CLIツール — 開発者向けのコマンドラインツールを作って公開。npm/PyPIへのパッケージ公開も良い経験
- SaaSプロダクト — 実際にユーザーが使えるサービスとして公開。マーケティングや運用の経験も話せる
GitHubプロフィールの最適化

ポートフォリオのプロジェクトだけでなく、GitHubプロフィール自体を整えることも重要です。
プロフィールREADME
GitHubでは、ユーザー名と同名のリポジトリにREADME.mdを作ると、プロフィールページに表示されます。
含めると良い内容:
- 簡単な自己紹介(1〜2行)
- 得意な技術スタック(バッジ画像を活用)
- 代表的なプロジェクトへのリンク
- 現在学習中の技術
草を生やす(コントリビューション)
GitHubのコントリビューショングラフ(緑色のタイル)は、継続的に開発しているかの指標として見られます。毎日コミットする必要はありませんが、極端に空白が多いと「最近はコードを書いていないのかな」と思われる可能性があります。
リポジトリのピン留め
GitHubのプロフィールには6つまでリポジトリをピン留めできます。最も見せたいプロジェクトを厳選してピン留めしましょう。ピンの順番も、自信のあるプロジェクトを先頭にするのがおすすめです。
デプロイの実践ガイド
Vercelでのデプロイ手順
最も簡単なのはVercelです。手順を紹介します。
- Vercel(vercel.com)にGitHubアカウントでサインアップ
- 「New Project」からGitHubリポジトリをインポート
- フレームワーク検出は自動で行われるので、そのまま「Deploy」をクリック
- 数十秒で
プロジェクト名.vercel.appのURLが発行される
以降、GitHubにpushするたびに自動デプロイされます。プレビュー機能もあり、PRごとに確認用URLが生成されるので非常に便利です。各デプロイサービスの詳細な比較はNext.jsデプロイ先比較2026|Vercel・Netlify・Cloudflare Pages徹底比較をご覧ください。CI/CDをさらに高度化したい場合はGitHub Actions入門|自動テスト・デプロイを設定する完全ガイドも参考になります。
独自ドメインの設定
ポートフォリオに独自ドメインを設定すると、プロフェッショナルな印象を与えられます。.dev ドメインなら年間1,500円程度で取得できます。Vercelの管理画面からDNS設定を行うだけで完了します。
よくある失敗と回避方法

失敗1:チュートリアルの写経をそのまま出す
UdemyやYouTubeのチュートリアルで作ったアプリをそのまま出すのは、経験のある採用担当にはすぐバレます。ベースはチュートリアルでも構いませんが、必ずオリジナルの機能を3つ以上追加しましょう。
失敗2:多すぎるプロジェクト
「たくさん作れば有利」と考えて未完成のプロジェクトを10個並べるより、完成度の高いプロジェクトを2〜3個に絞るほうが効果的です。採用担当は全部見る時間がないので、厳選したものだけを見せましょう。
失敗3:デザインの軽視
エンジニアは「デザイナーではないから」とUIを軽視しがちですが、最低限の見た目は整えましょう。Tailwind CSSやshadcn/uiなどのUIライブラリを使えば、デザインセンスがなくても見栄えの良いUIが作れます。Tailwind CSSをReact/Next.jsプロジェクトに導入する手順はTailwind CSS × React/Next.js セットアップ2026版で詳しく解説しています。開発環境をしっかり整えたい方はVSCodeおすすめ拡張機能2026もチェックしてみてください。
失敗4:セキュリティの考慮不足
APIキーがソースコードにハードコードされていたり、SQLインジェクション対策がされていなかったりすると、マイナス評価になります。環境変数の使用、入力値のサニタイズなど、基本的なセキュリティ対策は必ず実装しましょう。
まとめ:「作って終わり」ではなく「伝わるように作る」
ポートフォリオ作成のポイントを振り返ります。
- 課題解決のストーリーを持たせる(なぜ作ったか)
- コード品質を意識する(命名・構成・エラーハンドリング)
- Git運用をチーム開発レベルにする(コミット粒度・PR・ブランチ戦略)
- デプロイしてすぐ触れる状態にする(Vercel/Netlify等)
- READMEで技術的な文書力をアピールする
最も大切なのは、ポートフォリオは「自分のスキルの証明」ではなく、**「一緒に働きたいと思ってもらうためのコミュニケーションツール」**だという視点です。
相手(採用担当・面接官)が何を知りたいかを考えながら作れば、自然と質の高いポートフォリオになります。今日から1つ、本気のプロジェクトを始めてみてください。未経験からのエンジニア転職全体像については未経験からエンジニア転職を成功させる完全ロードマップも合わせてご覧ください。
よくある質問
Q: ポートフォリオは何個作ればいいの?
A: 完成度の高いものを2〜3個で十分です。未完成・チュートリアルそのままのプロジェクトが10個あるより、動いてREADMEが整っているプロジェクトが2個の方が評価されます。まず1つを「本気で仕上げる」ことを優先してください。
Q: どの技術スタックでポートフォリオを作ればいいの?
A: 応募したい企業が使っている技術に近づけるのがベストです。フロントエンド志望ならReact/TypeScript、バックエンド志望ならNode.jsやPythonが定番です。ReactとVueどちらを選ぶか迷っている場合はReact vs Vue 2026年版|どちらを選ぶべきか徹底比較が参考になります。フレームワーク選びで迷っているならプログラミング言語ランキング2026も参考にしてください。
Q: デプロイ先はどこがおすすめ?
A: フロントエンドのみならVercel一択です。バックエンドを含む場合はRenderやRailwayが使いやすいです。どちらも無料枠があるので初期コストなしで始められます。
Q: AIを使って作ったアプリは評価が下がる?
A: AIを使ったこと自体は問題ありません。重要なのは「コードの内容を理解しているか」です。面接でコードの説明を求められるので、AIが生成したコードも必ず読んで理解しておきましょう。AIペアプログラミング活用術も参考にしてください。
【2026年4月追記】2026年度から新卒・第二新卒のエンジニア採用でも「GitHubアカウント提出」を必須にする企業が増えています。ポートフォリオの「公開リポジトリ数」と「コントリビューション草の状態」を今から意識して整えておきましょう。特に直近3〜6ヶ月のコミット履歴がある状態だと、「今も継続的に開発している人」という印象を与えられます。
【2026年5月追記】2026年5月現在、ポートフォリオのトレンドとして大きく変わってきていると感じることが2つあります。
1つ目はAIを活用した開発プロセスを積極的にアピールすること。GitHub CopilotやCursorを使って開発効率を上げることは、もはや「ズル」ではなく「実務力」として評価される時代になりました。READMEに「開発にAIペアプログラミングを活用」と書いても問題ないどころか、前向きに見てもらえるケースが増えています。大切なのは「AIが書いたコードを理解しているか」です。
2つ目はNext.js App Routerを使ったプロジェクトが評価されやすくなったこと。Pages RouterからApp Routerへの移行が業界全体で加速しており、2026年時点では新規プロジェクトにApp Routerを使うのがデファクトになっています。ポートフォリオに1本、App Routerで作ったプロジェクトを入れておくと、「最新技術をキャッチアップしている」という印象を与えられます。デプロイ先の選び方はNext.jsデプロイ先比較2026も参考にしてみてください。
また、TypeScriptを最初から使うかJavaScriptで始めるかで悩む方も多いですが、2026年のポートフォリオ作成においてはTypeScript一択と考えています。詳しくはTypeScript vs JavaScript|ポートフォリオはどちらで作るべき?をご覧ください。